新卒で野村證券に入社し、4年間営業をしていた。毎日、株式相場を見て、お客様から預かったお金を管理し、この株を買って~この株を売って~ということをしていた。野村證券を辞めた現在も、自分のお金で株を売買している。
投資(株や投資信託)とギャンブルの違いは?
これの答えでよくあるのが、
「胴元がいるかどうか」が違いで、例えばパチンコや競馬は胴元(店や主催者)が存在するのでギャンブル。
つまり、胴元が一定数儲けた後のお金を分配しているので、長期で見ると期待値として客側が負けるようにできている。
一方、投資は、胴元が存在しない。だから平等な勝負だ。みたいな考え。これはまあわかる。
私の意見は、「結局、投資(株、投資信託)も儲かるか損をするのか五分五分なので、そういう意味でギャンブルと同じ。」である。
一方、多くの金融機関やマネーセミナーでは、「株でも、一回で買わずに、時間をかけて分散をして~」とか「投資は長期でお金をコツコツ育てていくことで、ギャンブルは短期で利益を~」とか「FXはギャンブルだが、安全な運用を長期で~」とか言っている。
これら全部、ポジショントークである。
何がマズいのかと言うと、「あたかも、長期で分散投資すれば損はしません。投資はギャンブルと違って損しません。」というニュアンスを一般の人に与えてしまう。そして、経験上、長期で分散投資をすれば損しないと思っているお客様は、めちゃめちゃ多い。
たとえ、投資する株の銘柄を分散し、長期で(ドルコスト平均法で)積み立てたとしても、儲かるか、損をするのか最終的には五分五分ですよ。ブレ幅が小さくなるが、結局、相場が上がった局面で売却できないとプラスにはならない。
つまり、銘柄を分散しようが、長期で積み立てようが、「買った株(積み立てた株)が上がったところで売却できないと損をする」ということである。
なぜこんな記事を書いたかと言うと、いろいろなお客様とお金の話をする上で、あまりにも「長期分散投資をすれば損しない。必ず増える。」という楽観しすぎている感じがあるから。
もし、長期分散投資をドルコスト平均法でやれば、必ず損しないのであれば、長年運用している大企業や金融機関が全部増益になる。倒産や減益なんてありえない。
投資は結局、儲かるか損をするかわからない。そういう意味では、ギャンブルですよ。
投資を否定しているのではなく(むしろ他の記事でもあるように肯定している)、「楽観しすぎて思考停止」するのはよくないですよということを伝えたい。また、儲かるか損をするのか五分五分なので、「余裕資金」でやってください。
間違っても、老後の生活費は、イデコで積み立ててる世界株式にすべて頼る、みたいなことは危険ですよ。
また書きまーす