「為替リスク」。一度は聞いたことがあるだろう。
「この商品は為替リスクがあります。」とか「為替リスクがあるから辞めた方が良い。」とかいろいろ言われている。
※前提として注意しないといけないことは、「リスク」という言葉の意味。
「リスク」とは、価格が上がったり下がったりする変動幅のこと。
なので、「リスクが高い」という意味は、「大きく損をする」「悪いことだ」という意味ではなく、「上がったり下がったりする幅が大きい」という意味である。
リスク=悪 という意味ではない。
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為替リスクとは?
結論、円と外貨の為替レートの変動により、外貨建て資産の価値(日本円に換算した場合の価値)が上がったり、下がったりすること。
つまり、例えば、1ドル100円の時に、日本円の1万円をドルに変換すると、100ドルに換えられる。
その後、1ドル120円の時(円安の時)に、100ドルを日本円に変換すると、1万2000円に換えられる。(つまり2000円儲かった。)
逆に、1ドル80円の時(円高の時)に、100ドルを日本円に変換すると、8000円になって換えってくる。(つまり2000円損をした。)
このように1ドル=〇〇円 というのは毎日動いているので、
いつ日本円をドルにするのか?いつドルを日本円にするのか?というので日本円に換算した時に価値が変動する。
これが為替リスク。
ざっくり言うと、将来、円安になれば、為替リスクを取った人(外貨建て資産を買った人)は儲かる。
逆に、将来、円高になれば、為替リスクを取った人(外貨建て資産を買った人)は損をする。
為替リスクは取るべきか?
つまり、外貨建て資産を持つべきか?である。
結論、為替リスクは取るべきだが、どの国の通貨を選ぶのかはしっかり考えた方が良い。
理由は、為替リスクを取らないことの方が、逆に危険だから。である。
どういうことか以下説明します。
仮に、為替リスクを取らない=外貨建て資産を一切持たない となれば、資産はすべて日本円建てで持つことになる。
銀行の預金、円建て債券、日本株など。すべて日本のものになる。
日本円が暴落すれば?円安(日本円の価値が下がる)になれば?インフレになれば?
こうなれば日本円建てですべての資産を持っている人は死ぬ。
為替リスクを取って、円高になったらどうするの?円高になったら損をするじゃない!
これの答えは、「日本円を持つリスクは取れるのですか?」である。
「為替リスクは危険だ」という人は、「日本円を持つ危険性」を考えていない。
外貨建て資産を持つことにもリスクがあるし、日本円だけを持つこと(外貨建て資産を持たないこと)にもリスクがあるのである。
どっちにもリスクがある。
(日本円を持つリスクとは、上記に書いた、インフレ、円安、など。)
この両方のリスクを天秤にかけた結果、「為替リスクを取らない危険性の方が、為替リスクを取る危険性よりも高い」になる。
このあたりは過去に記事かいています。
(「通貨分散とは?なぜ外国のお金も持つべきなのか。」の記事はこちら)
あわせて読みたい(「米ドル建て保険はリスクではない」の記事はこちら)