2013年に新卒で野村證券に入社し、4年間営業をしていた。2013年からアベノミクスが始まり、そこから私が退職するまでの4年間で日経平均が約1.8倍になった。
こんな、相場がメチャメチャ良い局面(日経平均に連動するものを買っておけば8割儲かっている)にも関わらず、野村證券のお客様は、ほとんど損をしていた。正確な数字はわからないが、8割以上のお客様は損をしている感覚だ。
何度も言うが、日経平均が1.8倍にもなっており、サルでも儲かる相場にも関わらずだ。
なぜ証券会社の営業マンと取引すると儲からないのか?
理由は1つ。
①お客様の目的と証券会社の目的が利益相反するから。
どういうことか?
お客様が証券会社で運用する理由、目的は、「お金を増やすため」である。当たり前だ。
一部の超富裕層の社長などは、野村證券とのパイプを持つためや、本業にも生きる経済情報を得るために野村證券と付き合うが、それ以外の人達は、「お金を増やす」ために証券会社と付き合う。
一方、証券会社の目的は、「より多く回転売買をして手数料を稼ぐこと」である。
この回転売買というのは、証券業界、特有のことである。
不動産や保険、その他回線系の営業も、月に何度も「買って(契約して)、売って(解約して)を繰り返すことはしない」。
が、証券マンはこれをやる。又は、試みる。朝、A社の株を買って、昼に売って、次にB社の株を買うなど、1日に2回転することもある。
勿論、「回転売買をやったから儲かった」ということもたまにあるが、基本は売り買いをするごとに手数料が引かれる(証券会社は儲かる)ので、お客様は儲からない可能性が高い。
そして、厄介なのが、一概に「回転売買は悪だ。証券会社が儲かるためにお客様から手数料を抜いている。」とも言えないのである。
考えた結果、売買した方が、良い局面もある。もうこうなってくると、お客様も訳がわからなくなってくる。結局、営業マンの「信頼」「人としての道徳性」にかかっている。
証券会社の構造上、お客様の資産が増えようが減ろうが、どっちでもいい。
お客様をより儲けさせた営業マンが出世するわけでも、ノルマを消化できるわけでもない。より多く回転売買を行い、手数料を多く稼いだセールスが出世し、褒められる。
勿論、手数料はお客様の運用資産から取られる。
お客様の目的である「お金を増やしたい」という考えと、証券会社の「手数料をより多く取りたい(回転売買するしかない)」という考えが、利益相反するのである。
だから、お客様が証券会社の営業マンと取引すると儲からない。
では、証券マンはお客様を儲けさせる気は全くないのか?
結論、そうでもない。
なぜなら、毎回損ばかりさせていると、又は大して儲かっていないにも関わらず手数料だけ取られまくると、お客様が「離脱」するからだ。つまり、「この証券会社の営業マンと取引しても、儲からないから、取引するのを辞めよう。」となり、取引を辞められる。
つまり、営業マンからすると、「完全に離脱しない程度に、お客様のやる気マインドを維持しつつ、一回でも多く株や投資信託を売買できるか?」を考えている。
結局、お客様を儲けさせるのも、「お客様の資産が増えてほしいのではなく、信頼を得て、今後、回転売買できるようにするため。」である。
「お客様の利益を取るのか?」それとも「会社の利益を取るのか?」これを両立するのが、証券会社の構造上、難しい。
例えば、これがラーメン屋では可能だ。一杯1500円という高いラーメンでも、お客様が食べて、めちゃめちゃ旨いと感じ満足すれば、店もお客様も両方ハッピーである。
値段が高かったとしても、そのお客様にとって満足しているのであれば、ハッピーにできる。
これが証券会社の場合、
「儲かるか損をするのかわからない。どこまで勉強して調べても結局はわからない。」
「毎日、変動し、状況が変わる金融商品。手数料稼ぎではなく、本当に売買した方が良い場合もある。」
「手数料を多く稼いだ奴が、出世する構造。」
「回転売買できるという特殊な商品」
「売買の都度、手数料が発生するしくみ」
「鬼のようなノルマと出世競争」
いや~この構造でwinwinはキツイです。
野村證券の実態は動画貼ってるので見てください。
また書きまーす。