上場企業に勤めている会社員の人から「俺、自社株、毎月2万やってるんすけど、自社株ってやった方がいいっすよね?」と聞かれる。
ちなみに、自社株積み立ては自分の勤めている会社の株を給与天引きで毎月買い続けることであり、会社によっては社員は10%上乗せで多く株を買えたり、割引が少しあったりと社員特有の若干お得なことがある場合が多い。
この「自社株積み立てをやった方がいいのか?」の問いに対する、私の答えは「辞めた方が良い」である。
理由を以下書いていく。
自社株は自分が働いている会社の株である。
もし、自社株積み立てを毎月やっている人(Aさんとする)がいたとして、Aさんの勤めている会社が仮に倒産すると、Aさんは、仕事を失い、毎月の給与、ボーナスも失う。加えて、将来もらえたであろう退職金も減る、もしくはもらえない。そして今までコツコツ自社株で貯めていた自分の資産もゼロになる。(倒産すると株価はほぼゼロになる)
要は、リスクが高すぎるし、自分が勤めている会社にbetしすぎている(会社とともに心中することになる)。
倒産までいかなくとも、業績が悪くなることなんて大企業であれいくらでもある。その際、ボーナスが減り(上場企業の場合、ボーナスは業績変動が多い)、積み立ててきた自社株の株価も下がる。ダブルパンチ、トリプルパンチを食らう。
東電しかり、東芝しかり、シャープしかり、今のメガバンク、証券会社の業績不振など。時代の流れで、金融政策で、一発の事故やリコール、不祥事で会社が厳しくなる時代。自分ではどうにもできない不可抗力。
会社に勤めているだけで、その会社に給与、ボーナス、退職金、福利厚生、生活のほぼすべてを賭けているのに、自分の資産までもそこに突っ込んでいいんですか?自分のいる会社のこと信じすぎでしょ。自社のことを愛することはすごくいいことだが心中することはないのでは?となる。
たとえお得に自社株を買えたとしても、デメリット(リスク)の方が上回るのではないかと。まだ自分が将来有望だと思う、違う会社の株を積み立てた方がいいのでは。というか、日本の会社に勤めている人が、本当にリスクヘッジを考えるのであれば、アメリカの会社の株を積み立てた方が自分にとって余程リスクが低い(別にアメリカ信者ではない)。
逆に、急激に自社の業績が上がれば、給与、ボーナスが増え、自社株の株価が上がって、ウハウハ状態になるが。う~ん、結果論の気がする。
また書きまーす