証券業界で4年働いた後、保険業界に来て2年半が経った。
よくお客様から「保険会社の人(営業マン)てすぐ辞めるよね。担当者がコロコロ変わるんだけど」と言われる。
事実、他の会社の保険営業マンを見ると、バタバタ辞めていっている。
そして、驚くべきデータがある。「保険営業マンの平均寿命は2年」というものである。平均2年で退職するのである。2年。Jリーガーでも、もう少し長い。これ程平均寿命が短い(すぐ辞める)業界は他にないだろう。プロ野球選手の方が息が長い。
なぜ保険営業マンはすぐに退職する(辞める)のか?
結論から。3つある。
①契約が取れなくなり、食えなくなったから(歩合制の場合)
②他にやりたい仕事が見つかったから。
③プライベートの時間を確実に確保する働き方が良いと思ったから。
以上3つ。以下説明します。
①契約が取れなくなったから(歩合制の場合)について。
実際、辞める人の8割以上はこれだと思う。初めは契約が取れたものの、そこからお客様からの紹介が貰えず、新規の訪問先がなくなり、契約が取れなくなるパターン。1年くらいで辞める営業マンはほぼ間違いなくこのパターン。
金融マンとしての知識や営業力は、大前提の上、人脈やマーケティング力、自分のブランディング力が強烈に必要になってくる。
金融知識があり、説明もうまい、コミュニケーション能力も高い、人脈豊富、マーケティング(どうすればお客様を増やせるか)もできて、セルフブランディング(自分をどう見せるか。大袈裟に言うとキャラ作り。自分の特徴や他の営業マンにはない武器を持つ)もできる人しか続かない。
平均寿命2年の理由がわかったかと。
②他のやりたい仕事が見つかったについて。
保険の営業マンをやっていると、数多くの新規の人と会うことになる。主婦の人から、ニッチな仕事をしている経営者まで。つまり異業種の人とお会いすることが多い。その中で「この人はこれで稼いでいるんだ~」や「こういう働き方や生き方があるのか」と考える機会は多い。
その中で、保険営業を辞める人は一定数存在する。
③プライベートの時間を確実に確保する働き方が良いと思ったについて。
保険営業マンは「休みの感覚」がない。サラリーマンみたいに土日が完全休みではないため(むしろ土日から仕事の予定が入る)、曜日感覚もない。
土日と平日の夜からお客様との面談アポが埋まっていく。
そして、「休み=面談アポがない」ということなので「面談アポがない=契約取れなくて死んでいく」ということになる。
だから、休みがあれば問題なのである。
私も、この保険営業を2年半やっているが、休んだ日は2年半で恐らく数日である。というか記憶にない。
加えて、休むことの恐怖が半端じゃないので、休みたいとも思わない。絶対に休みたくないのである。なんとかして休みがないように日々、仕事をしている。仕事をしている、若しくは、仕事があるという状態が落ち着くのである。サラリーマンの人からしたら「訳がわからん。アホでしょ。」と感じるだろう。実際、反論できない。
つまり仕事第一、趣味は仕事という人しか保険営業は向いていない。保険営業の仕事に「おもしろさ」を見出すことができない、仕事を趣味にできない人は辞めていく。
「なぜ保険の営業をしているのか?」という問いに対して、明確な答えがない、カッコよく言うと自分なりの正義がない人はキツイかと。
また書きまーす