証券会社の正義と存在意義について。【証券会社は社会に必要不可欠】

私は、新卒で野村證券に入社し、4年間営業をしていた。

証券営業なので、お客様は、個人の富裕層や法人(中小企業)である。

これらのお客様に対して、「この株がいいです。」や「この投資が~」ということをやっていた。

「投資」なので勿論、儲かったり、損をしたりする。こういう特殊な商品(株や債券)をお客様に販売するので、よく「証券会社なんて、なくなればいい。」だとか「別になくても良い業種。社会に対して生産性がない。」「お客様をダマす業界だ。」という意見が、結構存在する。

目次

証券会社は不要な存在なのか?

 

結論、「そんなことはない。証券会社は社会で必要不可欠な存在である。」というのが私の意見だ。

理由は1つ。

 

①直接金融により、市場にお金を流すため。

 

 

以上1点。

以下、説明します。

 

①直接金融により、市場にお金を流すため、について。

例えば、トヨタが新たに車を作る工場を作るため、資金を集めるために、増資(新たに株を発行し、投資家から資金を集める)したとする。

この増資したトヨタの株を一般の人に売るのは、証券会社の営業マンである。

そして、証券会社の営業マンが、一般の人(Aさんとする)にトヨタの株を買わせ、結果、株が下がり、Aさんが損をしたとする。

この場合、この証券マンは「完全な悪」なのか?100%ダメなことをしたのか?

Aさんだけに焦点を合わせれば、「悪」かもしれない。損をした(させた)ので。

 

が、トヨタから見れば?   トヨタに焦点を合わせれば「証券営業マンさん、お金を集めてくれて(株を売ってくれて)ありがとう。おかげで新たに工場を作れます。」である。

もっと言うと、トヨタが新たに工場を作ることによって、トヨタの下請け(中小企業)は仕事が増えたり、またそこで雇用が生まれ働くことができる人が生まれたり、助かったりハッピーになる人は増える。裏の目に見えないところで、多くの人の役に立っている。大袈裟に言うと、日本経済にとってプラスである。

 

証券会社の存在を否定する人は、この「トヨタ側の視点」がない。

 

つまり、証券会社と株を買うお客様の2者間だけで考えている。だからお客様に損をさせると「けしからん。完全に悪だ。証券会社とかなくなってしまえ。詐欺師。」みたいな考えになる。

もし、世の中から証券会社がなくなれば、経済は循環しなくなり終わる。

新たに上場する会社、資金を集めたり増資する会社の株を売る(お金を集める)のは証券会社の営業マンである。

だから、言い方は悪いが、たとえ目の前にいるお客様が損をしようが、日本経済のため市場にお金を流すという「正義」は、証券営業マンにとって存在する。証券会社の存在意義は、この日本社会のお金を循環させること。

 

が、逆に言うと、株の回転売買なんかは、なんの正義も生産性もない。上ではカッコよく証券会社の「正義」について語ったが、仕事の一部である。実際、仕事のほとんどは、その場の収益作り(金融商品の回転売買)である。※証券会社も部署がいろいろあるので一概には言えないが。

 

話戻ると、

 

こうやって考えると、究極、「目の前のお客様のために働く」のか「市場にお金を流す、つまり大袈裟に言うと日本経済のために働く」のかの選択になってくる。結論、目の前のお客様のために働きたければ会社を辞めるしかない。ここのジレンマで悩んでいる証券マンは多いのでは? 証券会社を辞める人の理由は結構このジレンマが多いのでは?

お客様のために働くのか、会社や日本経済のために働くのか。

(あわせて読みたい「証券会社の営業マンと取引すると儲からない理由」の記事はこちら

 

 

また書きまーす

 

 

 

 

 

 

 

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